手仕事について

今現在、鋳込みや型押し等、画一的な作品が出来る量産的な手法は使わずに制作しています
その手法を否定しているわけでなく、自分の手でできるところまで作ってみようという思いです
3Dプリンタなど新しい技術で手仕事までもコピーできる時代を迎えようとしています。もちろん完璧に仕上げるのを目指すのですが、作品を支配して完璧な複製を作り続けるという事ではなく、流れのまま任せるという工程を取り入れるのも、手仕事の面白さの一つだと考えます


器について

一般的に18時間以下で焼成しているところ、30時間(主な作品)をかけて焼成し、基本的な強度がでるよう焼締めております
手間と時間がかかりますが長く使えるようにできたら、という思いです
直線や正円の憧れや、裏側という普段見えない所にもこだわったりする、日本的であり伝統的な概念・思想も取り込み、表面的な「日本らしさ」とも違う、現在を残せるような作品作りを目指しています


適材適所

重要視しているのは釉薬と土と形の相性です
適材適所を見つけるのが自分の仕事だと考えています
この土は、この釉薬は、この形は
シンプルなものでも組み合わせの妙で出来上がるものが
まるで別物です
使うに至っては、各々使い手の日常の場面にはめ込まれるような、決まった使い方ではないオブジェのような存在でよいと感じております


言葉

好きな陶芸家や芸術家が何人かいます
作品そのものを真似たいと思う事はありませんが、その思想とか言葉には作陶を重ねていくにつれて、共感・発見する事になります
その中でも、河井寛次郎という現在の「クラフトマン」の祖先のような方の言葉がとても好きで、いつ見ても僕の考えを表しているような気持ちになります

売るという事が始まってからの物の乱れ、
わかりもしない人の好みを相手に作る事からの物の乱れ、
先ず自分の為に作らねばならない、自分を喜ばす物から
作らねばならない、それからだ、それからだ